二股して彼氏を失った話

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人を傷つけ自身も苦しむ「二股恋愛」は、最低な行為だと思う。

 

 

ルール違反をしてしまったのは、私が21才のときだった。

 

 

 

Yは美容室のオーナー美容師で33才。

 

 

 

初めて店を訪れ「ロングをショートにしてほしい」と頼む私に「ダメだ! 君はロングが似合う!」と拒否。

 

 

呆然としていると「美容師としてあるまじき発言だよね」と笑った。

 

 

 

その瞬間に私はYに心を奪われてしまったのだと思う。

 

 

 

間もなくYと付きあい始めた私は、何かに追われるように生きていた気がする。

 

 

 

Yは目の鋭い整った顔で、洗練された大人の男性。

 

 

 

高級スポーツカーで、私には敷居の高いレストランなどに連れていってくれる。

 

 

 

私はYに夢中だったが、幸福ではなかったかもしれない。

 

 

 

彼には自分の望む女性像があり、私をそのように変えたがった。

 

 

 

品のある振舞いや言葉遣い。

 

 

 

英語くらい話せるようになりなさい。

 

 

 

私が読んでいる小説を「子どもが読むものだ」。

 

 

 

私が作った料理を「手料理は好きではない」。

 

 

 

仕事やベッドでも細かい指図が繰り返された。

 

 

 

私は常に緊張し、Yに嫌われないように必死だった。

 

 

 

幼少時に親に捨てられたというYに、愛を感じて欲しかった。

 

 

 

一方で「私はYの遊び相手なのかも」と疑心暗鬼になっていた。

 

 

 

 

そんなとき偶然、元カレに出会ってしまう。

 

 

 

同級生の元カレは素朴で温かく、心から安らげた。

 

 

 

でも私は、Yと別れたくなかった。

 

 

 

Yには憧れと刺激を、元カレには癒しを求めていたのだろう。

 

 

 

終わりはあっけなかった。

 

 

 

元カレが私の部屋にいるとき、突然インターホンが鳴る。

 

 

 

ドアの前に立つY。

 

 

 

今日は会えないと話していたのに。

 

 

 

外に溢れ出る、カレーの匂い。

 

 

 

「今、友達が来ているの…」

 

 

 

彼は瞬時にすべてを悟り、私は同時に2人を失うことになった。

 

 

 

思い出すと、今でも胸が苦しくなる。

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